"21世紀を代表する会社を創る"
コネクションも資金もほとんどない状態で、こんな夢をかかげた人物がいます。
Cyber Agent 代表の藤田晋さんです。
彼は、1998年の会社設立以来、驚異的なスピードでCyber Agentを成長させてきました。
本書は、彼の半生とともに、成長の軌跡を記した本です。
藤田さんは、1973年福井県で生まれます。
彼の父は、会社に対して非常に愛情の深い人でした。
彼は、そのことに違和感を抱いていました。
彼は、高校を卒業後、青山学院大学に入学、上京します。
そして、誰もが陥る大学生活という名の温床にどっぷり浸かってしまいます。
雀荘のアルバイトをして過ごす日々。
違和感と焦燥感を感じながらも、2年生が終わる頃には、”社員にならないか”と誘われるほど、麻雀は彼の生活に入り込んでいました。
しかし、このままでは、会社を設立するという目標が達成できないと感じた彼は、一念発起します。
最初の行動は、新しいスーツと「フロム・エー」を買いに行くこと。
とにかく、スーツを着て働く仕事をしよう、と考えました。
スーツに身を包み、リクルート出身者が創業した広告会社にアルバイトで入りました。
彼は、ここで実態をやや伴わない名刺を渡され、広告を売り歩きました。
この会社での経験を通して、営業のスキル、人脈の大切さを学びました。
卒業後、当時はまだ小さかったインテリジェンスに入社します。
ここで、宇野社長と出会うのです。
彼の経歴は、いくつもの局面で出会いに支えられています。
出会いが危機から救い、出会いが機会を広げました。
宇野社長は、彼を懇意にしてくれました。
それに応えるように、彼は自らハードワークを決め込みます。
誰よりも早く出社し、誰よりも遅く退社しました。土日もGWも働きました。
まだ90年代だったとは言え、ワーク・ライフ・バランスと叫ばれて久しい昨今では考えにくいワークスタイルです。
彼は独立後も、このスタイルを突き通します。
週に110時間働くことだけを決め、会社に住みこむほどの勢いで働きました。
仕事がなく時間があるときには、次の企画のコンテストを催しました。
さて、時間は創業のときにさかのぼります。
彼は、会社をつくることだけは、変わらず思い描いていました。
しかし、インテリジェントを退社した後も、具体的に何をどうするかは考えていませんでした。
ただ、営業マンとして自信があったので、何かを売れば絶対に大丈夫と考えていたそうです。
創業時、彼は原宿にオフィスを構えます。
そのオフィスは、当初の予算をかなりオーバーした物件。
それでも彼は、”オフィスに実態を合わせていけばいい”と考え、入居を決断します。
その後、オフィスを移るたびに、現在の自分たちの実力より、数倍格上の物件を選んでいきます。
会社の業績は、オフィスのレベルに合わせるように急成長していきます。
ついに、彼が26歳のとき、最年少タイの記録で、株式上場を果たします。
本書は、上場後の株主とのやりとりでの葛藤などを含め、その後の成長まで描かれています。
本書から得る行動指針は、
「時代錯誤にハードに働く」
です。
一時期前、”アンチ ワーク・ライフ・バランス”という言葉が流行しました。
家庭を持つなどしたらまだしも、若い時期には、死にものぐるいで働くということが必要だと思います。
その経験が、年を重ねても踏ん張れる土壌になるのだと感じます。

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